通訳を本格的に学びたい社会人・学生の方、更なるスキルアップを図りたい方におすすめ!東京都内にある評判の高い通訳養成学校をご紹介します!

帰国子女から通訳を目指すのは有利?不利?

公開日:2020/02/01  最終更新日:2020/03/05

帰国子女は早い時期から本来の母国語以外に現地の言語に触れる機会も多く、英語圏であれば、英語のネイティブスピーカーに囲まれた環境で過ごすことで英語の発音も自然と身に付き、外国の文化にも親しんでいる印象があります。となると、通訳者を目指すのには有利なのでは?と思えますが、実は、ちょっと違うみたいです。

「通訳者になりたい帰国子女に通訳の模擬授業を受けてもらうと、必要な素養に欠けることが多い」という話もあるのです。今回は、帰国子女が通訳者を目指すのは有利か不利かをテーマに考えていきたいと思います。

※ちなみに、改めて、よく聞く「帰国子女」の定義を調べてみたら、「帰国した息子達・娘達」の総称。保護者の国外転居に伴って国外転居した後に自国に転居(帰国)した子女。とのことです。

通訳者には帰国子女率が高い

ある通訳者が、(依頼を受けて)「日本にいる通訳者で帰国子女でない人」を調べる必要があって確認してみたところ「数が多くて苦労した」というエピソードがあるほど、日本国内の通訳者には帰国子女が多いそうです。また、通訳者養成スクールの受講生からも「帰国子女がクラスに多い」という声を聞くことがあります。

たしかに(母国語=日本語を十分に習得している前提ではありますが)外国語習得に関しては、帰国子女は有利かもしれません。成長期に、日常生活の中で、外国語また外国の文化に触れて育ったということは、環境から体感的に外国語を習得しいるということになるからです。

一方、欧米では「中途半端にふたつの言語を習得してしまった帰国子女、母語不在なひとは通訳者になるべきではない」という意見もあるそうです。(理由は後ほど…)

以上、ここまでのところをまとめると「帰国子女は通訳者に有利な面は確かにあるが、むしろ不利だとの意見もある」と推察できますね。

帰国子女が通訳者になるための意外な「壁」

(先ほど触れた)帰国子女が通訳者になる際に出てくる不利な面とはどういったものなのでしょうか。

■こどものようなことば遣い
幼少期~中学生くらいまでに海外で過ごし、帰国された人は「どうしても子どもっぽい言葉遣いが定着してしまっていて、ビジネスには到底通用しない」と聞いたことがあります。

■構文能力や語彙が不十分
日常会話は意思の疎通さえできればそれで済んでしまいます。細部に至るまで説明できなくても、自分が「まあいいや」と思えば諦めも付くでしょう。そのため帰国子女の中には作文能力やボキャブラリーが不十分な傾向も見られます。

ところが、通訳者は話者のことばを正確に適切に通訳することに妥協があってはなりません。そのため、作文能力やボキャブラリーを含め豊かなで自然な表現力が求められます。

■専門的なことばがわからない
上記を読んでいただければお分かりでしょうが、ビジネスでは専門的な用語も飛び出します。通訳者は案件ごとに難解な資料を読み込んで学ぶことがあり、日本語に弱い傾向のある帰国子女の場合、ここでつまずいてしまいます。

たしかに、帰国子女にとってこれらは厚い「壁」となって立ちはだかる問題です。しかし、見事なまでの完全なバイリンガルもたくさんいますので、誰もがあてはまる訳ではないでしょう。

通訳者になるには誰もが勉強するしかない

ここまで読んでいただいて「通訳者は外国語にも日本語にも精通していなければならない」「帰国子女も例外ではない」「しかし、完全なバイリンガルもたくさんいて一概には言えない」ことが、お分かりいただけたかと思います。裏を返せば「帰国子女でも、そうでなくても不利ではない」とも言えるでしょう。

日本国内のみで育った人は、日本語が母語として身に付いており、母語にアウトプットするにあまり不自由はありません。また、難解な日本語や専門用語が並ぶ資料を読みこなすこともハードルは低いでしょう。

そこで読み込んだ日本語を自然な外国語に訳すためには苦労があるかもしれませんが、それは帰国子女も同じこと。通訳者になるには誰もが勉強するしかないのです。

しかも通訳者が学ぶ必要がある特殊なスキルの数々については、帰国子女もそうでない人もトレーニングあるのみ。
さらには、次のようないわゆる「適性・素養」は、後天的に身に付けられるものではありません。

■社交性があること
■コミュニケーション能力が高いこと
■人前で堂々と話せる度胸があること
■ある意味、一生勉強が必要なので好奇心・向上心があること
■とにかく、その場で訳さないといけないので瞬発力があること
■トラブル・ハプニングをものともしない現場対応能力があること

「特殊なスキルの数々」に加え、これらを満たしてはじめて一人前のプロの通訳ということになるので、通訳者を目指すことは誰にとってもラクではないでしょう。そして大切なのは「持っている言語運用能力を、通訳という形で活かす」ことに尽きます。

まとめ

「帰国子女が通訳を目指すのは有利か不利か? 」について考えてみました。結論としては「日常的な会話には事欠かないので、語学や外国語習得に関しては有利だが、ビジネス外国語、作文能力やボキャブラリー、日本語理解が不十分な方もいて一概には言えない」「むしろ不利な面もある」ということでした。

通訳者に必要な特殊スキルは誰もが学ばないといけないことであり、通訳者に求められる素養もあるため、帰国子女でもそうでない方でも努力・トレーニングあるのみです。そして、大切なのは「持っている言語運用能力を、通訳という形で活かす」こと。

「どんな方にもチャンスはある」と理解して、通訳者を目指していただきたいと思います。

おすすめ関連記事




サイト内検索
記事一覧